イチョウ葉エキスがメニエール病に与える効果とそのメカニズム
Pharmaceutical standards
イチョウ葉エキスは
医薬品水準
イチョウ葉エキスはドイツ、フランスでは古くから医薬品として用いられている実績のある成分です。1980年代にはドイツの医薬品の中で最も売れたとまで言われており、今でも国民薬として広く用いられています。
主な適応症は、めまい/耳鳴り/認知症です。
なお、薬の許認可制度の違いから日本では医薬品ではなく一般食品として扱われています。それでは海外における実際の臨床結果を見ていきましょう。
Improvement rate of dizziness
めまいの改善率
約79%
試験は、原因の定かでないめまいを持つ平均年齢58歳の160人の患者を対象に行われました。イチョウ葉エキス240mg/日を12週間飲用し、医師の評価によってめまいの改善率を求めたものです。
結果は、「非常に改善」「かなり改善」を合わせた改善率が79%に上り、とても高い効果を示しました。※
診察も治療も簡単には行かないことの多いめまい症において、この結果は非常に価値のあるものと言えるでしょう。
※ 出典:Larysa Sokolova,et al:Treatment of Vertigo:International Journal of Otolaryngology:2014
次に、耳鳴りに対しての効果を見ていきましょう。
Improvement rate of tinnitus
耳鳴りの改善率
約75%
飲用量は同じく240mg/日、平均年齢56歳の男女に半年間飲用してもらい、耳鳴りによる不快感をTHIという質問紙調査により比較しました。
結果は軽度の耳鳴りの方で約75%、重度の方で54%の改善となり、多くの方で生活の質が上がりました。※
イチョウ葉エキスは、めまい・耳鳴りの双方に高い有効性を持つことが示されたのです。
※ 出典:Cristina E.Okuyama,et al:Clinical randomized trial study of hearing aids effectiveness in association with Ginkgo biloba extract (EGb 761) on tinnitus improvement:Brazilian Journal of Otorhinolaryngology:2019
イチョウ葉エキスのめまい・耳鳴りへの有効率 | |
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めまい(3ヶ月) | 79% |
耳鳴り(6ヶ月) | 75% |
Monitor survey results
ワイズ製薬で
実施した
モニター調査結果
ワイズ製薬で1ヶ月間モニター調査を実施した結果、耳鳴り単体に関しては思わしくありませんでしたが、めまいに関しては想定以上の結果が得られました。
これは1ヶ月飲用時の結果ですので、参考論文と同様3~6ヶ月飲用すれば、論文同様かそれ以上の実感率が期待できると考えられます。
モニター製品1ヶ月飲用終了時の改善率 | |
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めまい・耳鳴り併発 | 55.5% |
めまいのみ | 56% |
耳鳴りのみ | 25% |
※回答件数56名のアンケートの集計
Mechanisms affecting Meniere’s disease
イチョウ葉エキスが
メニエール病に
与えるメカニズム
メニエール病は、めまいや耳鳴り、難聴を引き起こす耳の疾患です。その原因は完全には解明されていませんが、内耳のリンパ液の圧力や循環に問題があることが関与しているとされています。イチョウ葉エキスは、血管拡張作用や抗酸化作用を持つ成分を含んでおり、これらの作用がメニエール病の症状を改善することが期待されています。
血管拡張作用
イチョウ葉エキスに含まれるフラボノイド類が、血管を拡張させることで血流を改善します。これにより、内耳の循環が改善され、メニエール病の症状が緩和される可能性があります。抗酸化作用
イチョウ葉エキスには、抗酸化作用を持つ成分が含まれています。これにより、酸化ストレスが軽減され、内耳の炎症や細胞損傷が抑制されることが期待されます。また、抗酸化作用により、内耳のリンパ液の循環が改善されることもあります。神経保護作用
イチョウ葉エキスに含まれる成分が、神経細胞を保護する働きを持っていることが報告されています。これにより、内耳の聴覚神経や平衡神経の機能が維持され、メニエール病の症状が緩和されることが期待されます。抗炎症作用
イチョウ葉エキスには、抗炎症作用を持つ成分も含まれています。これにより、内耳の炎症が抑制され、メニエール病の症状が改善されることが期待されます。
以上のように、イチョウ葉エキスが持つ血管拡張作用、抗酸化作用、神経保護作用、抗炎症作用が、メニエール病の症状改善に寄与するとされています。ただし、イチョウ葉エキスの効果は個人差がありますし、症状がすぐに改善されるわけではありません。イチョウ葉エキスの摂取は、他の治療法と併用して行うことが望ましいでしょう。
また、イチョウ葉エキスはサプリメントや漢方薬として利用されていますが、使用方法や用量については、医師や薬剤師に相談することが重要です。特に、既存の病気や服用中の薬がある場合は、イチョウ葉エキスが他の薬と相互作用を起こす可能性もあるため、注意が必要です。